Chapitre 01 Charles de Gaulle Etoile
ぼくは、このコラムで、同じ花を志す人たちに夢を伝えていきたいと思うが、
どこにでもあるような、「パリの有名フルーリストでちょいちょい働いてきました。」
みたいな感じで取られると、この現実がまったく伝わらないので、今ある事柄、感じた事を自分の経験を通してありのままに書くつもりでいる。
パリのフルーリストでの現状。
厳しい事を書くようだが、日本であまりにもパリの流行ばかりが先走りすぎて、花の事をなんにも知らずにパリに来て、言葉も必死になって覚える気もなく紹介で入ったフルーリストで、言われた事だけをして、しかもいいように使われて、何も言わず掃除だけして帰るようなひとが多い。
それで何ヶ月も絶えれなくて辞めていく。
自分はやる気で来てると見せる時に、まず向こうの反応が大きな壁になった。
日本人は弱くて、都合のいい存在というレッテルが出来てしまっているからだ。
マイナスからはじめる訳で、同じ事を仕上げるにしても、普通に仕上げてるだけでは、それがプラスになるどころか、少しも印象に残らない。
前にも述べたが、かなり手際よくしないとこちらのスピードにはついていけない
し、その中でも自分の最高の花を仕上げないと、作ったものもポイッと捨てられる。
厳しいとか、やり方を教えてもらってないとか、そんなあまい問題じゃない。
ここは、ただ実力社会の世界ということ。
認められたら仕事がどんどんもらえるけれど、小便みたいな仕事を一度すると、次の瞬間から仕事をもらえなくなる。
そこでやる気が無くなったところなんて見せたりしたら、居てるのか居てないのか分からない様な扱いを受ける。
実際に何度も何度も、自分も含めて、その状況を見てきた。
そしてこうやって言っている今日も、また一人掃除の子が辞めていった。
でも、だからこそ、いつも本気になれる。
だからこそ、ここには本物が存在する。
歴史だけではない、花屋としてのプライドをみんなが持って仕事をしている。
ところでオーナーのバティストは、35歳で、ボクと4つしか変わらないが、花屋歴は、17、8年にもなる。
パリの花業界の重鎮、ジョルジュ:フランソワ氏のもとで修行をして、
20歳で独立をしたので、彼のお店は15年目で、もう老舗と言ってもいいくらいのどっしりとした雰囲気がある。
普段は、とても懐が深く、ボクにも分かる様なジョークを言ってくれるほど優しい人柄が溢れているオーナーだけれど、
一旦仕事に入ると、作業場の空気が一瞬にして変わる。
気持ちのいい緊張感と、慣れないうちはきりきり胃が痛むような独特のプレッシャーが漂い始める。
伝えていくべき厳格で歴史ある花の文化と、
それを担う新旧カリスマ達のプライドと誇り。
それが理解できる日本の若いフルーリストに学びにきてほしいと思う。
そして、ぼくがその橋にいつか成れたらと思っている。