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Chapitre01 Gare du Nord

気がつけばもう8月を目の前にしている。
ちょうど去年の今頃、パリでやっていこうと
心に決めた、そんな8月が1年経って、またやって来た。

3月の末に着いて、まだ4ヶ月だけれど、
これまでの自分と花との内容に比べると、
もう何年経ったんだろうという気持ちにもなる。
おかげさまで、もう一度、初心に戻って
花屋である事を心から幸せに思える人生になった。

日本で自分が築いたものはとても大きく、
閉店の最後の最後まで迷っていたのだけれど、
ある雑誌にて、フランスのニースで1つ星レストランを
営む日本人「KEISUKE MATSUSHIMA」の記事を見て、
ぼくは、考え方をかえ、しっかり気持ちをパリに向けた。
たしかその記事には、こう記してあったと思う。

「この国(フランス)の食を体で感じ、自分のものにして
フランス人に認めさせる。」

ぼくが12年前に魅了されて、追い続けたフランスの花は、
やはりこの地でしか手に入らないもので、
この地に染み込んだ花を、ここの時間に染み入る事で、
体で感じて、彼のいうとおり「自分のものにして」
これまで続けて来た時間の中で両手が覚えた経験と、
花への想いでもって、この本物の地で、この地の人に
自分の花を認めさせたいと、思った。

パリでは、花屋は、アルティザンと呼ばれる。
それは、職人を意味する。
そして、お客さんも、もちろんそう捉えているので
信頼される技術は言うまでもなく求められる。
時にとても厳しい彼らの注文も、その信頼の上での
要望に他ならない。

そんなお客さんの、そしてこの地の人々のこころを、
あえてぼくがここの花でもって魅了する事に
大きな意味があるとおもうのである。

さて、そんなパリは今、バカンスを迎えようとしている。
我らバティストも今日最後の大きな作業を終えて、
来週月曜日の納品のみとなった。

今日は、バカンス前最後の早朝出勤となった。
ルーブル美術館の前の橋を渡る朝5時は、
まだ暗闇の中に、船や、河畔の明かりが煌めく時間である。
この4ヶ月、この時間に、何度もこのセーヌ川の景色を目にしては、
まだ見ぬ自分の姿を想い浮かべて、仕事に望んだ。


今日は、バカンスの間、生け込み先に飾る鉢物を用意した。
事前にアンケートをホテルや、メゾンに配り、
希望の鉢物を選択してもらうのだけれど、
見事に統一して、白の胡蝶蘭一色になった。


入荷して来たたくさんの胡蝶蘭を一斉に植え替える。
黒のガラス花器、白い陶器、緑のアンティーク花器、
花器によっていろんな顔を見せるものの、
やはり胡蝶蘭の容姿は、洗練された美がある。
芸術には目が肥えているパリジャンに好かれるのも納得がいく。

そして、最後の一鉢を植え替えて、終了した途端、
突然帰る支度を始める面々。

仕事と一緒ぐらい、自分の時間を大切にする人達である。
本当に見習う事が多いなあと想う。

さてさて、次回は、このバカンス中に訪れる予定の
近隣諸国から花を届けたいと想っている。
いろんな花を目にして、9月からまた新しい気持ちで
仕事に望める様に。

コメント (20)

you:

わぁ?!胡蝶蘭綺麗ですね!
こんなに沢山の胡蝶蘭、はじめて見ました。
白一色でとても美しいですね。

kenさんがパリに発たれてから・・・
もう四ヵ月になるのですね。。
何だかもっと前から行かれていたような気が
して・・・少し寂しいですが。。
でも、
こころから幸せに思える日常を送られているようで安心致しました☆
仕事と同じくらいkenさん自身にも幸せな日常が訪れますように・・・☆祈っています^^

COCA-Z:

近隣諸国の花のリポート楽しみにしています。

僕も北欧の取材ができればご報告します!

ken tanaka:

youさん

こんにちは。
いつもありがとうございます。
先日は写真もありがとうございました。

胡蝶蘭って、その高貴すぎる容姿から
日本では少し抵抗があったのですが、
こちらに来てからは、
とても身近な存在故に
大好きになりました。


ken tanaka:

coca-zさん

こんにちは。
先日は実家の件での相談、お世話になりました。
結局自分たちで山に入り、気に入ったもの
秋頃に下ろしてもらうことにした様です。
また今後お願いしたいと言っていましたので、
よろしくお願いします。

coca-zさんの訪問日記楽しみにしています。
過去の中では、「こけ山水美術園」のが、
個人的に興味がありました。

パリの市場に卸される苔は、見事なそれが
たくさんあります。
苔と言えば日本のイメージが強かったぼくは、
こちらの生き生きしたものを見て、
とても驚きました。
そして、花屋では、それらをデコレーションに
多用しますが、花に退けを取らない、
存在感を表します。


ken tanaka:

coca-zさん

こんにちは。
先日は実家の件での相談、お世話になりました。
結局自分たちで山に入り、気に入ったもの
秋頃に下ろしてもらうことにした様です。
また今後お願いしたいと言っていましたので、
よろしくお願いします。

coca-zさんの訪問日記楽しみにしています。
過去の中では、「こけ山水美術園」のが、
個人的に興味がありました。

パリの市場に卸される苔は、見事なそれが
たくさんあります。
苔と言えば日本のイメージが強かったぼくは、
こちらの生き生きしたものを見て、
とても驚きました。
そして、花屋では、それらをデコレーションに
多用しますが、花に退けを取らない、
存在感を表します。


pistachio:

tanaka-san:

水のある街はロマンチックですね。
川向こうの景色に膨らんでくるイメージや夢を
胸にしながら歩くちょっとした時間が持てる、
それだけでその人の生き方に違いが出そうです。

東京の街にもそれなりの良さがあると思うのですが、
情報や流行の刺激が神経症的で人を放っておかないところがある。
心を緩めるのにみな「必死」です。

…それより何より、日本の夏は暑い!
水の恵みが死活問題のレベルで有難い季節。
打水をしているお家など、これはこれで風物詩ですよね。

さくら:

初めてコメントします。

仕事でパリに行くので、ぜひお店に寄ってみたいのですがバカンスはいつまででしょうか?ほかのお店もお休みが多いのでしょうか?
生ケンサンにお会いしてみたいです。

ken tanaka:

pistachioさん

情報や流行の刺激が神経症的で人を放っておかないところがある。

本当にそのとおりですね。
欲しいものが必ずと言うほど手に入り、
その結果、街にはものが溢れて、
どんどん落ち着かなくなっていく。

アナログなぐらいがちょうどいいのかもと、
パリに来て思いました。

しかしながら、日本の夏は確かに趣がありますね。
風鈴の音、浴衣、花火、かき氷、寝汗。

昼の暑さに文句を言って、
寝苦しいことにもグチグチ言っていたけれど、
あの感じを、味わいたくても味わえないのが
時に寂しくなる時もあります。

ken tanaka:

さくらさん

バカンスは8月いっぱいです。
昨年よりも開いている店が多いと
聞きますが、それでも閉まっている
お店の方が断然多いと思います。

こんばんは!
近隣諸国のひとつ、オランダにいらっしゃる時には一度ご連絡くださいませ。私はオランダの花に魅了されオランダに来て、今こちらに住んでいるものです。何度か仲卸でお姿拝見していたので私はあら!とブログを拝見して一人嬉しく思っていたのですが。(怪しいものではありません^^)

ともあれ、素晴らしいバカンスになりますように!

Ken tanaka:

Sunnyさん

こんにちは。
ホームページ、早速拝見して、
あー!あの人だと、すぐ思い出しました。
オランダは、とても近いので、
是非伺いたいと思います。

その時は、オランダの花、色々教えてください。

COCA-Z:

ご実家の件、お役に立てずすいませんでした。
もしまた何かお手伝いできることがあればいつでも言ってください。

苔は確かに魅力的な素材ですね。
フィンランドにはトナカイが食べるハナゴケの仲間(http://aikafelt.exblog.jp/7169222/)が多く自生しているそうで、次回の作品展では是非その素材を使いたいと思っています。


こけ山水美術園、帰国されたら是非訪ねてみてください。園主はとても面白い方です。
訪園時が初対面だったのですが、お会いしてから4時間ほどの間、ずっと熱心に苔のことばかり喋っておられました(苦笑)

aoi:

すごい胡蝶蘭ですね。
蝶が飛びまわっているかのようです。

私が働いている花屋でも、それはありますが、全く違います。圧巻です!さすがです。姿をかえる胡蝶蘭の素晴らしさを伝える田中さんの仕事を見てみたいです。

この田中さんのコラムは私の仕事へのモチベーションを高めてくれて励みになります。
ありがとうございます。

きっと人知れずの苦労があると思います。苦労と一言で言ってしまえば簡単ですが、たくさんの想いをかかえていることと思います。
そして時間が経ち少し笑えているならば今ものすごくプレッシャーをかかえていてもあとから思えば悩んでいた時間も自分のなかで積もる糧となりますよね。

私はまだまだひよこではありますが自分にだけは負けたくありません。頂上がどこかも、そんなものも決めずに仕事を頑張っていきたいとおもいます。
いつの日か振り返ればはるか後ろに誰かいるような、でも気配さえ感じないくらいのぶっちぎりイチバンになります。

いつか田中さんのお花必ず見に行きたいです。

ken tanaka:

aoiさん

ぶっちぎり。
いいですね。ぼくも大好きな言葉です。
でもそのためには、人と同じ道を歩いていてもダメだし、
同じ苦労をするにしても、人と同じ目線で見ていたら面白くないし、
しかも整えられていない道は、辛いことの連続で。

それでも、その先で、きっと、きっと
ぶっちぎりで走れる気がするので、
枯れてしまいそうになるようなときも
その度に自分にお水をやりながら
また走っています。

がんばりましょう、お互い。


ken tanaka:

coca-zさん

年末か、年始の帰国時に、お暇だったら一緒に
こけ山水美術園行きましょう。

ぼくも苔について勉強しておきます。
4時間は、しかし、すごいですね。

COCA-Z:

是非!笑

お久しぶりです
押し花姉さんです・・・
アイロニー・スタッフmakimaki さんのブログから
こちらにたどり着きました。
バカンスは、エンジョイされましたでしょうか?
パリで頑張ってる 田中さんの姿が想像できます。
素敵なお花情報を楽しみにしています。
私も広島に来て5ヶ月
のんびりモードの広島に慣れつつありますよ。
車で少し走れば、のどかな景色が広がり、
ほっこりした毎日です。
押し花もゆっくりですが、続けています。
お花は、奥が深いですから・・・
私には、まだまだお勉強する事がいっぱいです。

SANKO EXTERIOR miyata:

はじめまして SANKO EXTERIORの代表の宮田と申します。今 ご実家のエクステリアを工事させて頂いている者です。お母様にはいつもKENさんのお話をよく伺っております。また日本に帰られた時にお会いできれば嬉しいです。それまでにKENさんにも喜んで頂けるエクステリアを完成させておきますので楽しみにしていて下さい! それではまた ブログにも遊びに来させて頂きます。お体に気お付けてお仕事頑張って下さいね!  

ken tanaka:

anemoneさん

押し姉さん、お久しぶりです。
お元気そうでなりよりです。
広島に移られてからも、楽しくされている様子を
実はブログを覗いていたので知っていました。
ぼくも、大変な毎日ではありますが、
充実した日々を送っています。
また、覗いてください。
ぼくもちょくちょく覗きます。

ken tanaka:

SANKO EXTERIOR miyataさん

実家の方がお世話になっているようで、
ありがとうございます。

宮田さんのお仕事、
日本にいつか一時帰国して
拝見させて頂くのを楽しみにしています。

よろしくお願いします。

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Juli 28, 2008 4:49 EMに投稿されたエントリーのページです。

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