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Chapitre 01 SPAGNA

ユーロスターというヨーロッパ諸国をつなぐ特急電車に揺られて、
外に広がるひまわり畑を見渡す。
こんなにも隣接した国なのに、目的地に近づくに連れて、
乗り込んで来る人々のテンションが明らかに違ってくる。
パリのそれに慣れていると余計にこの国の人達の底抜けの明るさが
伝わって来る。
そう、ここは太陽の国、イタリア。

今回、バカンスの旅行をこの地にしたのは他でもない、
歴史深いこの地でのお花のあり方を見たかった。
同じく古き良き街、パリのような華やかな文化なのか、
それともまた違った花との接し方をしているのか、
日本にいては聞くことも無かったこの国のそれを、
この目でずっと見たいと思っていた。


ROMA ローマ。
いろんな街がある中で、ぼくが一番好きな場所。
築後2000年という石造りの建造物が、手に届く場所に
今もあり続けている。

パリと違って、住居用の建造物は色が鮮やかなレンガ色や、
水色、オレンジ色などのものが多く、そのテラスに掛けられた
緑の植物や花々が生き生きと躍動している。

整備されることも無く、がたがたのままの石畳の細道を
歩いていると、昔の人達が、次の角からふらりと現れそうな、
そんな気持ちになって来る。不思議とパリでは感じないことだ。

ぼくはまず、ブランドメゾンが一同に名を連ねて街を作っている
SPAGNA駅にやって来た。
バカンスということもあるのか、ただただ暑いせいか、
生のお花を飾っているところがあまりなかったが、
そんななかでもちゃんと飾っていたメゾンもあった。


まず、目についた、GUCCIに入った。
入り口と一番奥の2カ所に、グリーンのスプレー菊のみを
無造作に投げ入れただけのものだったけれど、
薄い黒色をしたガラスと金色の縁取りのシックな花瓶に
シンプルに飾られたそれは、このブランドのイメージそのものだった。
どのメゾンでも写真の撮影が禁止されているなか、
パリから来たことを伝えると、gucciの店員さんだけは、
快く隠し撮りを見逃してくださった。
gucciのおねえさん、ありがとう。


さて、その他メゾンでは厳しく規制されたので、
すべて外からの写真になるが、
まずは、MAX MARA.
白いアンスリウムとアンスの葉だけの小さなアレンジを
メゾンの各テーブルに配置して、とてもミニマムな統一感を
醸し出していた。


大きなガラス花器に雲竜柳のドライを投げ入れているのは、
ソニアリキエル。

写真の代わりにぼくの図解での説明になるが、BURBERRYでは
かなり太いベニヅルを太く束ねて、ねじ曲げて、それだけで
巨大なオブジェを作って、側に立たせたマネキンに
動きを加えていた。


そして、最後の写真は、Trussardi。
これは、帰りに立ち寄ったミラノのメゾン。
観葉植物を背の高いガラス花器に植え替えたものを
並べていた。


ふとその界隈を歩いていると、露店の花屋を見かけた。
ちょうど近くのメゾンの女性がブティック用の花を
作ってもらっている最中だった。
契約している花屋さんがバカンスの間だけこうして
作ってもらっているのかは、分からないけれど
この界隈でのこういう風景はとても新鮮だった。


4日間ほどの滞在期間中、いろんなレストランやブティック、
家を見上げて、街の花を探して歩いたが、
パリのように、あたり前の様にそこにいて、
部屋や店や空間に、どれだけ大きくてもそっと馴染む、
そんな花ではなくて、

そこに在るために、飾られている、
逆に言うと、そこ以外には考えられない、
必要なものを最大限に引き出したような
そんな花々ばかりだった。

パリの、そのふんだんに花をあしらった世界を抜けて
たまにこうして、違う花文化を訪れると、
今後の自分に必要なものがはっきりと見えて来る。
シンプルだけれど、確実に見る人を楽しませる、
そんな技を持ったフルーリストがここにも居たことに
とてもうれしくなった。

このイタリアの花の流れは、今からいくらでも変化していく気がする。
古都の様で、とても斬新で、何よりそれを受けいれる人達がいる。
花の流通さへしっかりすれば、新しいスタイルさへ生み出せる、
そんな、この国イタリアは、

今後のぼくの花人生にとって、目の離せない街になった。

コメント (6)

pistachio:

tanaka-san:

イタリアは私も大好き、ローマも大好きです。
花、というより、ぶどうの蔓とか噴水の脇に茂った緑とか、
生活のすぐ横にあって伸び伸びした感じの緑を真っ先に思い出します。

そういえば、ローマのどこかの公園で松ぼっくりを拾って帰ったのを覚えています。
握りこぶしよりももっともっと大きくて、かさも大らかに開いて、
「ローマの松」ではないですが、古代帝国の力と華の記憶を手にするような感じです。
日本の松ぼっくりの楚々として寂びた雰囲気しか知らなかったので、とても新鮮でした。

露店の花屋って、「ローマの休日」のシーンにもありましたね。
おじさんがとてもいい人。

ken tanaka:

pistachioさん

こんにちは。

そう、とても噴水の素敵な街ですね、ローマは。
苦楽園の雑貨屋さんのホームページに
載せて頂いているブログに、今回ローマの噴水のことを
少し載せています。またご覧になってください。
http://pal.kica.co.jp/

ぼくは、最後に寄ったミラノの黄金のリゾットに
甚く感動して帰ってきました。

you:

kenさん、こんにちは。

バカンスはイタリアに行かれていたのですね!
ローマ、良いですねぇ・・・
私はまだローマには行ったことないのですが、
ローマの休日のイメージがあり、憧れがあります☆

噴水や彫刻などが多い素敵なイメージがあり、kenさんの写真を拝見して、益々行ってみたくなりました♪

お花もとてもキレイですね。
GUCCIのスプレー菊、シンプルだけど、何だか惹かれました☆
イタリアにも菊ってあるのですね。
菊って聞くと・・・何だか日本のイメージがあります。。
店員さん、優しいおねえさんで良かったですね^^

ken tanaka:

youさん

こんにちは。

ローマの休日、ぼくも大好きな映画です。
スペイン広場、真実の口などなど
映画の場面をたどる様に、歩いて廻りました。

菊も然り、今まで日本のイメージが先行していた花が
こちらでは全く違う顔を見せます。
それを感じるだけでも面白いものです。

イタリアに行かれる際は、ミラノの黄金リゾットを是非。

tonton:

はじめまして。

充実した日々を、真剣に生きていらっしゃるのが
ブログから伝わってきました。

私も花が大好きです。
10代の進路を決めるころ、漠然と、花屋さんになりたいと
思ったことがあります。
しかし30代の今、私はOLをしています。
一度きりの人生。
夢を見ることすらしなかった自分を情けなく思います。

今からでも遅くない・・・いや今更・・・
そんなモヤモヤした気持ちのまま時間だけが過ぎていきます。

もっと毎日を大事にせねばなりませんね。

ken tanaka:

tonton,さん

パリに来たとは言え、想いとは違う現状や
日本よりも厳しい環境のなか、
時間が過ぎていくのは、
ぼくも焦ったりもします。

夢を追うことが幸せなのか、
夢は夢のまま、幸せな日々を選ぶのか、

どちらがいいのかは誰にもわかりませんが、
でも、毎日を後悔なく、一生懸命生きれたら
それでいいのではないかなあと思います。


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August 25, 2008 3:21 EMに投稿されたエントリーのページです。

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