blog du I'llony 世界一好きな花屋といってもらえるように 芦屋と南青山とパリに店を構える花屋アイロニーオーナー谷口敦史のブログ

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2007年9月14日

祖父へ

9月14日

17日の敬老の日を控え今朝は市場も活気があった。

ここ数年で敬老の日もすっかり物日として定着した感がある。


祖父母を敬うといえば、僕は真っ先に母方の祖父を思い出す。

みんな好きなのだけれど、隔世遺伝であることをもらっていることもあり、彼の血が一番多く流れているような気がするのである。

祖父は田舎だった僕の実家からさらに山奥で色々な農作物をつくっていた。

小さい頃は祖父は農家だと思っていたが、材木の会社を興した後引退し悠々自適に農業を楽しみ、知人や取引先の人たちに作った米や野菜などを送って暮らしていたようだった。

僕がのうのうと暮らして来れたのも両親はもちろんだが祖父の恩恵によるものも大きい。

昨夜そんな事を考えていて、こんなことを思い出した。


山奥と言っても、僕の実家からそう離れておらず、1時間に一本しかないバスに乗って15分くらいのところにあった祖父の家には小さい頃でも一人で勝手に行くことができた。

農業で忙しい時期があると、手伝いに行き、そうするとお小遣いをくれた。


あるとき、田んぼの消毒(除草剤だったと思う)を頼まれた。

この仕事は田植えや稲刈りのようにはっきりと形となってわかるものではない。

薬を散布する装置を担いで田んぼを回りまんべんなく消毒していくというものである。


趣味でやるならもう少し小さくてもいいんじゃないかと思うくらい何反もあって、すごく時間のかかる仕事だった。

でも、まぁあんまりやりすぎてもよくないんだろうしザックリいこうザックリ

と小さい頃から省エネスタイルだったタニグチ少年は2時間程度で終ったよおじいちゃんといって帰った。


すると、おじいちゃんが財布から小遣いくれこんな話をしてくれた。


昔は小作人(地主から田を借りて農業する人)が地主の田の仕事を手伝うことがあってな

田の草むしりなんかを頼んだんだよ。そのときにね頭のいい地主は田の中にあらかじめ酒の瓶を隠しておいたらしい。

くまなく草むしりをした小作人は酒の入った瓶を見つけて報酬の他にそれをもらえたそうだ。









・・・・・











俺が手ぇー抜いてるって話なんかーーーーい!


当時は遠まわしな嫌味をいいよる。。と思ったものですが、


今思うと 丁寧な仕事をするというのは本当に大切な事でそうする事でまた次の仕事につながっていき隠された酒を飲む事ができるのだなぁと思います。


僕が商売を始めたときは祖父はもう他界していましたが、生きていたらもっと色々話したかったなぁと思います。

今年は忘れずおばあちゃんに花を贈ろう。


bob.jpg
敬老の日に合わせてニューアルバム発売かと思っていたらまだまだ現役!
ラジオでかかったリードトラックはめちゃめちゃかっこよかったです!

dylan.jpg

 
 

 

オススメダヨー 
ケイロウノヒモワスレルナ



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コメント(5)

いいお話、いい思い出読ませていただいてありがとう・・・

音楽する人、絵を描く人の感性って永遠だと思います、才能豊かであればあるほど・・・・

たまには直メール下さい。

実は、私も祖父と隔世遺伝と
家族のものによく言われます。

祖父は私の目から見て強烈な方だったので、ビミョーって思ったこともありますが(笑)


とっても興味深い、素敵な祖父様だったのですネ。

ミセスリー!
これはこれは。先日はおいしいお料理ご馳走様でした。これを機にどんどんブログにもコメントください。またメールしますね!

akoちゃん
いつもどうもー。強烈なおじいちゃん。。どんな方だったのかまた聞かせてくださいー。

いい話ですね。
何が隔世遺伝だったのか気になりますが、勝手に想像しておくことにします。
私は幼い頃のそういうホノボノした思い出って少ないんですよね・・・
だから語れる思い出って何かうらやましいです。
小さい頃からこんな感じだったので、ほのぼのとはほど遠い生活で(^^;)ホッホー

イモミ
もうちょっと年取ると、思い出がほのぼのとして見えてくることもあるよ。例えばネットでチョコボールのあたりを見分ける方法を買った話とか。。

Auther

florist jardin du I'llony
creative director
Atsushi Taniguchi

谷口 敦史
1975年3月31日生まれ

芦屋と南青山とパリに店を構える花屋アイロニーのオーナーフローリスト。 独学ながら自然のバランスと花のもつ色気をコンセプトにしたデザインが多くのブランドに認められ店内装花やイベント装花などを手がける。 企業への花をつかった商品企画や広告への花写真の提供など幅広く活動。 自身の撮影による写真集FLOWBULOUS(フラビュラス)は現在ISSUE3まで発刊し累計45000部突破。

多くの人に世界一好きな花屋がある人生の豊かさを感じてもらうことを目標に邁進中

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