アイロニーには今、たくさんスタッフが集まってくれている。
フルタイムスタッフ、パートタイムスタッフ、見習いスタッフ。
形は色々だけど、みんなに共通しているのは、アイロニーで仕事したい。という気持ちだと思っている。
花の経験があってもなくても、何かが得意でも苦手でも、免許があってもなくても、そんなことはどっちでもいいけど、
アイロニーで働きたい、と思っている人じゃないといて欲しくない。
気持ちがなくなってしまったら、どんなに忙しくても、引継ぎの期間なんていらない。その日で辞めてもらいたい。
家庭の環境が変わったり、結婚したり、妊娠したり、怪我したり、病気したり、
働けない事情ができても、アイロニーで働きたいという気持ちがあればどんな形でもスタッフでいられるようにしたい。
声もちっちゃくて、力もなくて、車の運転もへたくそだけど、気持ちだけは誰にも負けない見習スタッフの一人が、
1年8ヶ月続けるうちに環境が変わって、その気持ちを見失ってしまっていた。
初めは、何も話してくれなくて、長い間一人で辞めるべきかと悩んでいたようだ。
それに気づいてあげられたときはもう、辞めることを一人で決めてしまった後だったように思う。
チームだとか言っておいて情けなかった。
メールで色々と話をして、今まですごくがんばってくれたけど、
気持ちをなくしてしまったなら、決まりどおり去ってもらうしかないと思ったし、
人一倍気持ちを持っていた彼女もそれがよくわかっていて、
最後の一日だと思って、今までで一番明るく今日は一日がんばりますと挨拶してきた。
見習いスタッフには、一日の最後に花束やアレンジのレッスンをしている。
色々な段階があって、全部合格すると、店でギフトを作るスタッフとして認められる。
その日彼女には特別に、見習いスタッフを始めた頃になかなかできなかったラウンドアレンジを作ってもらった。
基本のスタイルだが、これが一番奥が深いし、最後の一日なら集大成をみせて欲しかった。
出来上がったアレンジをいつものように見せに来た彼女は
いっぱい涙を流していた。
ラウンドアレンジを作っていたら、見習いスタッフを始めた頃のことをたくさん思い出したらしい。
花ってすげーなぁ。
きっと、もともと気持ちがなくなったのではなくて見つからなくなっていただけなのだろう。
環境が変わって、休みがちになってしまっても、まったく来れなくなっても、
気持ちがあるならずっとスタッフでいて欲しいと伝えた。
今日で最後だと思っていたけど、どうするかもう少し考えさせてくださいと彼女は言った。
彼女がどんな答えをもってきても、彼女にはずっとスタッフでいてもらおうと思う。
へったくそなラウンドアレンジだったけど、
どんな綺麗なアレンジより気持ちが伝わってきた。