blog du I'llony 世界一好きな花屋といってもらえるように 芦屋と南青山とパリに店を構える花屋アイロニーオーナー谷口敦史のブログ

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2016年10月 7日

かわいそうともったいない

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ずいぶん昔からアイロニーのレッスンに通ってくれていた友人が

いよいよ花屋として開業することを決めて、パリにアイロニーのディプロマコースのレッスンを受けに来てくれた。


いろんなことをできるかぎり伝えたいと思って、レッスン中や、休憩中、ランチやディナーもがっつりといろんなことを話した。


いつもカリキュラムとして伝えていることとは別に、話の流れで他にも普段考えているいろんなことを話すことがある。


今回は、かわいそうともったいないについての話をしながら、あー、これはもっとたくさんの人に話したいなぁと思った。

よくブーケのレッスンをしていると、下葉を落としたり、わき枝を落としたりするときに、わぁ、かわいそう。。とためらう人がいる。

花はよく擬人化されるし、花を愛でている人ならなおのことその花の一生を思う気持ちはわからなくもない。


でも、すでに切り花というものは命を頂いている。

焼肉屋で肉を焼くときに、火あぶりなんてかわいそうと言っているのとさほど変わりはない。

我々花屋がすべきことは、その花の命を美しく魅せて、またその種を残していこうとたくさんの人間に思わせることが

その命に感謝していることになるのかもしれないと思う。

また話はかわってもったいないということについても話をした。

われわれの創作はビジネスなので、減価率とか粗利みたいなことはくっついててはなれない。

ひとつのクラスで彼女がとてもきれいなコンポジションをつくった。


予定していた素材を使いきったあとで、仕上がりをチェックしていて

もう少し別の素材を追加するとパーフェクトになるから足したら?と言ったら

いいの?もったいなくない?と言った。


彼女はうちのビジネスのことを気にして言ってくれたんだけど、


たとえ利益が少しなくなっても綺麗なものを追求することが一番大事なことだと思うし、めぐりめぐって利益にも結びついてくると思う。


限られた予算の中で、ベストなものを作り上げるのがプロの仕事だという人もいるだろう。

そういう仕事を積み重ねるのが、自分のスキルアップ、創作の幅を広げる訓練にもなって成功している人もいるだろう。


かくいうおれも、自分たちの花を安売りはしたくないし、できない予算なら断る仕事もたくさんある。


でも、いざ束ね始めたら、もうそんなことは考えられない。綺麗なものをつくってまず自分を喜ばせたい。


そうしないと、他の花が全部もったいないことになってしまう。


そういうスタンスでずっと花が束ねられるなら、贅沢ができなくても、多少睡眠時間が短くても全然楽しく生きていける。


おれはそういう人種の花屋の花をみると嬉しくなる。


そういうことが伝えられればいいなぁと思う。


このコンポジションはそんな嬉しい花だ。




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Auther

florist jardin du I'llony
creative director
Atsushi Taniguchi

谷口 敦史
1975年3月31日生まれ

芦屋と南青山とパリに店を構える花屋アイロニーのオーナーフローリスト。 独学ながら自然のバランスと花のもつ色気をコンセプトにしたデザインが多くのブランドに認められ店内装花やイベント装花などを手がける。 企業への花をつかった商品企画や広告への花写真の提供など幅広く活動。 自身の撮影による写真集FLOWBULOUS(フラビュラス)は現在ISSUE3まで発刊し累計45000部突破。

多くの人に世界一好きな花屋がある人生の豊かさを感じてもらうことを目標に邁進中

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