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2007年01月 アーカイブ

2007年01月07日

靴の神様。

西宮のとある住宅街の一角。
注意していないと見落としてしまうほどのさびれたプレハブ小屋。
けれどもその中に足を踏み入れると、そこははまさに異空間。
トコロ狭しと積み上げられた靴靴靴…

“オールソールの神様”と呼ばれるほど、靴底の全張り技術に絶大な支持がある御主人の元には、
日本全国から手当てを必要とする靴たちが毎日送られてくるという。
それにならって僕も、相棒を連れて、助けを求め門を叩いてみた。

学生時代にかなり背伸びをして買ったブーツだが、ここ数年はソールの傷みが激しく、
すっかり出番がなくなっていた。
何度か修理を頼んでみたものの、復活することはなかった。
しかし素材といい、デザインといい、なかなかお目にかかれない逸品。


「あの、ちょっと見てもらいたいモノがあるのですが…」

そう言う僕に対して、“神様”は目を輝かせてブーツを手にとって眺めだした。
そしてふむふむとうなずくと、剥がれかけたソールをいきなり素手でバリッと引き剥がしたっ!

おおっと、乱暴な…
むむっ、でもそこが逆にプロっぽい…

すると…

「これ結構、大事に長いこと履いてくれてるよね?
 えっと、この靴はね、接着剤でくっつけるタイプなんですよ。
 でもね、このソールは接着剤とはあまり相性がよくなくてね。
 同じように接着しても、また剥がれちゃう。
 たぶん何度か修理に出して、試みてみたでしょ?
 これを治すんだったら全貼り替えで、ヴィブラムソールにすれば、
 元の雰囲気を変えずに、うまく接着出来るから大丈夫ですよ。」

と意外と冗舌な、神様。

僕が一番に気に入ったのは、冒頭の「履いてくれてるよね?」の一言。
この人完全に“靴目線”やん。
きっと独りの時には、靴たちとお喋りしてるに違いない。。

それに、嫌味っぽくなく、柔らかい口調でさらっと説明してくれる対応にも感心させられた。
勉強になります。
この人は好きな事を仕事にして、誇りを持ってやっているんだろう。

もちろん二つ返事で神様にお預けして、待つ事2週間。。生まれ変わったブーツと御対面。


ソールの仕上がりはもちろん、頼んでいない表面の革の手入れまで、抜かりないサービス。
ピカピカに磨かれたそれは、新品にも引けを取らない輝きを放っていた。

嗚呼、ありがとう、神様。。。


Shoe factory & Shop 修理屋

http://www.shoe-riya.com/
〒662-0866
兵庫県西宮市柳本町7-10
TEL/FAX 0798-72-7363
営業時間 11:00-19:00
定 休 日 火曜日、 木曜日

たまに営業時間内でも閉まってる場合アリ。
そのゆるさもイイ。


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頃合い。

最近、久しぶりにジョギングを再開。
走るのはイイ。
心が洗われるような気がします。。

今朝は近所の砂浜を、プロ野球選手の自主トレばりにダッシュ。
「一体オマエは何を目指しているのだ?」と自分に問いかけながら…

ひと息ついてストレッチしていると、散歩しているオジイサンに不意に挨拶され、
とっさに言葉が出なかった。ああ、イケテナイ。。
まだまだ人として修行が足りませんな…

ただ、走るのが楽しくてもムリは禁物。徐々に距離を増やしていかないと続かないだろう。
過ぎたるは及ばざるがごとし、だ。

全ての物事には“いい頃合い”というものがあり、これを見極める事は想像以上に難しい。
このことさえ出来れば、人生は上手く渡っていけるとシェイクスピアは言う。

“あらゆる才能の中で最も大切なのは、片方で充分だ、という時に
 決して両方を口にしない、という才能である。”

これは米国第三代大統領、トーマスジェファーソンの言葉。

度々タニグチの作るアレンジを見ていると、この言葉を思い出して感心することがあります。
“充分”を判断することは難しいものだ。


さ、そろそろ今年も大詰め。
街には人も車も溢れていて、いよいよ年の瀬って感じです。

アイロニーもお歳暮にクリスマス、そしてお正月のオーダーと、
おかげ様で忙しくさせていただいております。
季節を楽しむ余裕もなく、慌しく過ごしがちなこの季節ですが、
冬は冬らしく、それなりに楽しみましょうよ。

皆様、いいクリスマスを!


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聖夜を越えて。

12月25日の夜から26日の朝にかけては、街のディスプレイが劇的に変化する。
ディスプレイ業界にとっては一年のクライマックスと言える。
もちろん我々の仕事もその例外ではなく、まるでこの世間の、押し寄せる大きな波にのまれるかの如く、
慌しく、神戸に大阪にと走り回る二日間であった。。。


兵どもが夢の跡…


それでもやはり、街中がキラキラと輝く中、自分の大切な人へプレゼントを贈る、
という今となってはもう、国民的行事となったこのイベントについては、
このヒネクレモノの僕でさえ、とてもいいもんだと素直に思うのです。

女性に花を贈る男性がもっと増えれば、その数だけ女性の笑顔が増える、
という妻の日のコンセプトだって、結果としては相通じるものがあると言っていい。

僕にとって、プレゼントをするという行為は、相手の為のものであると同時に、
自分の為のものでもあるような気がします。

それはただ、「相手の喜ぶ顔が見たい」という純粋な願望…

今年は特に、クリスマスに女性に花を贈る男性客が増えたように感じましたね。
僕はクリスマスはあくまでも“きっかけ”になればいいと思う。
妻の日もしかり。

想像以上に喜んでくれた女性の笑顔を見て、そこから普段から花を贈るようになればスバラシイ。。
自分の気持ちを花に託すのだから、いつだっていい。
贈りたいと思ったときが“その時”なんだと僕は思う。


ああ、エエこと言うた。。


今年もあと五日…
今日はあいにく冷たい雨が降っていますが、クリスマスツリーは門松へと変わり、
ようやく新年を迎えるのだという実感が湧いてきたような気がします。
とりあえず掃除道具でも買いに行くとしますか。。


アイロニーは年内、大みそか31日まで営業。。
お正月花をお忘れの方、ご一報お待ちしております。

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年暮。

店先の大きなケヤキの葉は全て散り去って、秋の間には、あたり一面を占拠していた
落ち葉もすっかり見当たらなくなった。
昨日はこの芦屋の街にも、木枯らしと共に雪がちらついていた。

街は師走の慌しさからも少し落ち着き、静かに新年を迎えようとしている。
もうすぐ今年も暮れる。。

さて、2006年は果たしてどんな年だったのだろうか。
一年を総括するマスメディアは決まって悲観的で、取り上げられるのは悲惨な出来事ばかり。
だけれど、そう落ち込んでばかりはいられない。

そもそも、幸せな明るい話題というものはなかなかクローズアップされにくい性質がある。
実際には、今年が多くの人々にとっていい年だった、とそう願いたい。


今年もホント多くの方々に、大変お世話になりました。。
まいどおおきに!
相も変わらずこんな調子ではございますが、来年もひとつ宜しくお願い申し上げます。
そして皆様が、どうぞ平穏にシアワセな新年を迎えられますように…

年末は31日まで、
年始は1月5日より営業しております。

ではまた。。


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今年の抱負。

新年あけましておめでとうございます。

新年早々、二日間の休日をいただきました。
この貴重な時間、こんな機会にしか出来ない事をしようと思い、ふと思い立って伊丹空港へ。
行き先は仙台。そこは父の実家がある第二の故郷…

仙台には九十五歳になる横山家のゴッドマザーがいる。
ただ超人的に元気だったばあちゃんも、これは仕方ないことだけれど、
最近少し痴呆が進んでいるらしい…
そう聞かされていた僕は気持ちをしっかりと持ち、覚悟を決めてばあちゃんに会いに行った。

周囲が心配する中、久しぶりに再会したばあちゃんは、昔と全く変わらず元気だった。
相変わらず背筋もまっすぐで、口も滑らかに喋る喋る。。
普通に電化製品を使いこなし、横文字をおりまぜて話すあたりはさすがだ。

僕と接していたほとんどの時間、僕を孫とは認識してなかったんだけど、いろんな話をしてくれた。
その内容は、彼女の言うところの夫(僕の祖父)や大阪の息子(むろん僕の父)や
一族の思い出の数々。。
様々な写真を見ながら話をする彼女からは、その人生が間違いなく幸福であったことが伺い知れる。

少し不安はあったけれど、訪ねて来てよかった。
僕のことを誰だか認識出来ていない事は少し寂しいけれど、かえってそれが、
“人対人”として純粋にばあちゃんと向き合って話す事が出来たような気がするよ。。

今回の仙台滞在中には、仙台では有名人のイトコの案内もあって、
普段あまり接する機会がないようなオトナな人達の話を聞く機会があった。
人に歴史あり、だ。
彼らの人生は大変興味深く、とてもいい刺激とエネルギーを頂いちゃいましたね。

その晩、あるお方に「今年の抱負は?」と聞かれ、バクゼンとしてうまく表現出来なかったんだけど、
帰りの機内でいろんな方々の言葉を思い出しながら、もっと頑張んないとなぁ。。と決意。
結局バクゼンとしてることには違いないんだけど。。

暖冬とはいえ、仙台の夜はやはり寒くて吐く息も白い。
キンと冷えた空気は澄みきっていて、月はあまりに明るくて美しかった。
繁華街は正月らしくワカモノ達でにぎわっていたけれど、ひとつ裏通りに入れば
とても静まりかえっていて、なんともいい夜だった。

僕が物心つく前に他界した祖父は、仙台では実に偉大な人物だったらしい。
祖父の記憶の無い僕でも、仙台にいる個性的な一族を見れば、そのことは想像にたやすい。
祖父はこの街を愛し、家族を守り、立派に暮らしていたんだろうな。。

偉大な祖父母のことを思うと、店では“器の小さなことおちょこのごとし”と言われる僕も、
「もうちょっと恥ずかしくないように生きなきゃなぁ。。」
と、改めてちっぽけな自分を見つめ直した、そんな今回の旅であった。


ちなみにスーパーでは、一日でも賞味期限の長いものを探してしまう。
これ、おちょこの極意。
そんな自分は結構、嫌いじゃない。


松島や ああ松島や 松島や  …松尾芭蕉

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2007年01月20日

潤い。

もう早くも半月経ちましたが、今年はどんな年になりそうでしょうか??
個人的には、今年は有言実行を心掛けていきたい。
自分の考えを発言をもって示し、行動に移そうと。

知行合一…知る事は行動を伴なわなければならない。

早速宣言をひとつ。
発言の中に、「えっと」と「すみません」を極力使わないように心掛けたい。
オトナな言葉使いを身に付けるのは遠い道のりだ。

アイロニーでは新年から、永遠の見習いかと思われたカタオカが正式スタッフとなり、
心機一転、新たなスタートラインに立っているような気がします。
まあ、真面目な話、今年に賭ける意気込みは個々にそれなりのものがあり…

ところが新年いいスタートを切ったかと思った瞬間に、軽い体調不良に。。。
そういえばこの時期、去年もそうだった。
病院にいたアレサフランクリン似の看護婦さんを思い出した。
(過去ブログ参照)

と言うわけで、新年早々、少しみんなの足を引っ張りつつ、ようやく復活して参りました。
しっつれいしました。

たぶんあの症状は、冬場に世を騒がせている“風邪”というものではないだろうか。
そして、“風邪には、乾燥が大敵”という情報を元に、急きょ加湿器を購入。
今年初の買い物が、カシツキ…

もうひとつ購入理由はありまして、観葉植物達にも乾燥はあまり良くなく、
そばに水槽を置いたほうがいいくらいだから、そんな為でもあるのです。

僕が購入したアマダナの加湿器はことのほか静かで、気化式ということもあって、
運転中なのに見た目にはそんな実感が全く湧かない。
蒸気式だったら、目に見えて何となく、おお、加湿されてるなぁ、、と思うのだけれど。
しかしやはり、高性能高品質なアマダナ製品はイイ。。

いい歳になってきて、来月にはもうひとつ増える。
密かに若くないアイロニャーズではアンチエイジングに関心が高まっている。
我らに潤いを。。


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2007年01月24日

家族の風景。

 キッチンにはハイライトとウイスキーグラス。
 どこにでもあるような、家族の風景。
 七時には帰っておいでと、フライパンマザー。
 どこにでもあるような、家族の風景…

ハナレグミこと永積タカシ氏の詩には、さすがの酔いどれ詩人も舌を巻く。

フライパンマザーって…
わかるけどさ。。

幸せな家庭に育ったらしい彼は、やはり実に温かい詩を書きます。
家族や家庭というものは、間違いなくその人の原点であり、人格形成には多大な影響を与える。


この「家族」、ただでさえ連日の報道でも取り上げられている重いテーマで、
不幸な事件や事故が相次いでいることも確かにあるんだけど、
最近、この「家族」というテーマについて何かと話したり、考える機会が多い。
普段の僕の日常では、意識するようなことはあまりないのだけれど。

それは、ある時は安心して眠るゆりかごであり、
打ちのめされた後に帰るべき空母艦のようでもある。
また、そうでなければならない。
個人差はあれど、人には帰る場所が必要なんだと思う。


「家族を大切にしろ。家族の面倒を見てこそ、一人前の男だぞ。」
とある映画のセリフが心にしみる。


「家族を大事に。」なんてことをよく言われるけど、今までとは違って、
最近は、比較的素直に聞くようになった。
もしかするとこれは、僕の中では小さな進歩と呼べるのかも知れないな。。


ともあれ、この手の絆というものが強いに越したことはなく、時にはその為に、
我々が出来る仕事も少なからずあるような気がする。
食卓の花を囲んで夕食を共に…なんて夢想家過ぎますが。。


今日の昼、ひと時の雨降りを逃さずに、店の数軒お隣のおチビさんはお母さんに連れられて、
七色の傘をくるくる差して長靴をポコポコ履いていた。
挨拶したあと、思わず見えなくなるまで眺めてしまった。。

これぞ、家族の風景。。




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2007年01月26日

リニューアル!


というわけで、ようこそ新ホームページへ!!

ブログに関しては、ほとんど一緒やん。という声が聞こえてきそうですが、
ホームページはイメージ一新。

オッソロしくイイ。。


まっ、今後とも宜しくお願いしまっす!



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