blog du I'llony 世界一好きな花屋といってもらえるように 芦屋と南青山とパリに店を構える花屋アイロニーオーナー谷口敦史のブログ

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2018年10月22日

アイロニーからのお悔やみ。


先日16年周年を迎えた芦屋本店。
芦屋とはいえ、アイロニーのある打出小槌町は、
名前の縁起はいいけど、山手の高級住宅地と違い、
若い夫婦と子供とお年寄りの多い街。


路面店ではあるものの、たまに山手の方から
ポルシェやフェラーリがやってきて大人買いしてくれるような人が
来たりすることはあったけど、普段は来店者は少なく、
遠方からのオーダーやハイブランドが顧客への贈り物なんかの需要の方が多い。


そんななか、こまめに来店してくれる常連さんももちろんいて、
俺が一人ではじめたころからきてくれてるおばあちゃんなんかが、
このまえあの人来てくれてましたよ。という話をスタッフから聞くなんだか嬉しくなる。


オーナーがいないんだったら、別のところにいくわ。
みたいな人も多いだろうから。
おれとしては店としての花を頑張っているので、
それをずっと気に入ってくれる人はありがたい。

おれが日本の店に立つことが少なくなってからも
常連さんの話なんかは、よく聞いていて、
お会いしたことはないけど、想像を膨らませたりしてる。

そんな常連さんのひとりに、亡くなった奥さんへのお供えに
毎週のように少しの花を買いに来てくれるおじいちゃんがいました。
90いくつだと言っていたそうです。
芦屋店のスタッフもみんな一度は接客しているらしく、
おじいちゃんの話になると、あー、あのおじいちゃんね。とみんな好きな様子でした。
亡くなってからも毎週アイロニ花をプレゼントなんて粋なおじいちゃんです。


昨日その娘さんが来られて、おじいちゃんが亡くなったことを教えてくれたそうです。
アイロニーの花が好きだったから棺の中にいれてくれるブーケを頼みにきてくれたとのこと。
娘さんは、今度は私がお供えの花を買いに来なくちゃと言っていたそうです。


うちみたいな店は、パリに店を出したり、
華やかなイベントをしたりして、認知度を上げて、
自分たちの花の価値をあげて、みたいなことばかり言っているので、
こういう花屋のあたりまえの心と心のつながりを
スタッフに感じてもらえる機会が少ないのかなぁなんて
つい先日のミーティングで話していたところだったので、
芦屋店の留守を守ってくれていた店長サーヤから
一人では受け止めきれないのでと報告があったときは、
悲しさやら、安心やら、複雑な気持ちでした。


両店を行ったり来たりしている福田もこの日に芦屋に戻っている予定だったのですが、
さーやにアイロニーからのお供えの花を作ってもらうようにお願いしました。
福田は、青山店からとびきりの素材を持ち帰って、さーやに託したそうです。
知ってる人のお悔やみの花が一番難しいんです。

基本的にネットからのオーダーでも情報からいろいろなシーンを
想像して、花を束ねます。
映画とかを見て、とは比べものにならないくらい感情移入してしまうこともあるので、
お悔やみの気持ちには必要以上に引っ張っられてしまうこともある。

不謹慎かもしれないけど、出来上がったアレンジの写真を見て、
めちゃめちゃきれいな花を作ってくれたなぁと嬉しくなりました。
おじいちゃんにも、ご家族にも寄り添えたと思います。
みんないつもいい仕事してくれてありがとう。

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Auther

florist jardin du I'llony
creative director
Atsushi Taniguchi

谷口 敦史
1975年3月31日生まれ

芦屋と南青山とパリに店を構える花屋アイロニーのオーナーフローリスト。 独学ながら自然のバランスと花のもつ色気をコンセプトにしたデザインが多くのブランドに認められ店内装花やイベント装花などを手がける。 企業への花をつかった商品企画や広告への花写真の提供など幅広く活動。 自身の撮影による写真集FLOWBULOUS(フラビュラス)は現在ISSUE3まで発刊し累計45000部突破。

多くの人に世界一好きな花屋がある人生の豊かさを感じてもらうことを目標に邁進中

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