blog du I'llony 世界一好きな花屋といってもらえるように 芦屋と南青山とパリに店を構える花屋アイロニーオーナー谷口敦史のブログ

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2009年3月 Archive

2009年3月 1日

さらばオチアイズム




長年続けてきたバスケでも、現在の花の仕事においても

僕のスタイルはオチアイズムに根ざしている部分が多かった。


オチアイズム。。

それは往年のスラッガー、現中日ドラゴンズ監督 落合博満氏の一言を聞いた僕が名づけた主義・思想のことである。


あるスポーツ記者が、いつだったか落合氏にこう質問した。

あなたにとって最高のホームランとは?

その質問に対して落合氏はこう答えた。


フェンスを越すか越さないか、ぎりぎりのところで越えたっていう当たりが素晴らしいね。


そう、場外まで飛ばす必要などない、あのサクを越えれば同じホームランなのだ。

最小の力で最大の成果を得る。ビジネスにおいては必須であろう合理主義だ。


僕はバスケにおいても、仕事においても長年そういうきらいがあった。

だが少し間違っていたことに最近気づいた。

僕がしてきたことは、最小の力でなるべく大きい成果を得る。であって最大の成果ではない。

そういえば、バスケ時代もいいプレイヤーではあったと思うが、一流ではなかった。


この壁を越えるには、人が無駄とも思えることを積み重ねなければならない。

その積み重ねが、報われることがたまーにあって、それこそが一流と呼ばれるものなのだろう。


もちろん落合氏は一流です。

あの僕が聞いた一言はある一面であって、あそこにたどり着くまで数え切れない無駄を重ねてきたから出てくる言葉なのであろう。

これまで通りビジネスにおいては合理性を追求する必要がある。


僕が積み重ねていきたい無駄は花に対するこだわりです。

クライアントが満足してくれるラインを越え、決して独りよがりにやり過ぎないなかで、一人でも多くの人の心に響くような花を

ぎりぎりまで模索していきたい。


スマートな生き方よりもみっともないくらいのほうがかっこいいなと

最近思います。




もっとも僕らしい花をデザインしてるリュクスクラス

芦屋と東京でやってます。

http://www.illony.com/school/2009/02/post_1.html

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2009年3月15日

花のチカラ

アイロニーには今、たくさんスタッフが集まってくれている。

フルタイムスタッフ、パートタイムスタッフ、見習いスタッフ。

形は色々だけど、みんなに共通しているのは、アイロニーで仕事したい。という気持ちだと思っている。

花の経験があってもなくても、何かが得意でも苦手でも、免許があってもなくても、そんなことはどっちでもいいけど、

アイロニーで働きたい、と思っている人じゃないといて欲しくない。

気持ちがなくなってしまったら、どんなに忙しくても、引継ぎの期間なんていらない。その日で辞めてもらいたい。

家庭の環境が変わったり、結婚したり、妊娠したり、怪我したり、病気したり、
働けない事情ができても、アイロニーで働きたいという気持ちがあればどんな形でもスタッフでいられるようにしたい。


声もちっちゃくて、力もなくて、車の運転もへたくそだけど、気持ちだけは誰にも負けない見習スタッフの一人が、

1年8ヶ月続けるうちに環境が変わって、その気持ちを見失ってしまっていた。


初めは、何も話してくれなくて、長い間一人で辞めるべきかと悩んでいたようだ。

それに気づいてあげられたときはもう、辞めることを一人で決めてしまった後だったように思う。


チームだとか言っておいて情けなかった。


メールで色々と話をして、今まですごくがんばってくれたけど、

気持ちをなくしてしまったなら、決まりどおり去ってもらうしかないと思ったし、

人一倍気持ちを持っていた彼女もそれがよくわかっていて、
最後の一日だと思って、今までで一番明るく今日は一日がんばりますと挨拶してきた。


見習いスタッフには、一日の最後に花束やアレンジのレッスンをしている。

色々な段階があって、全部合格すると、店でギフトを作るスタッフとして認められる。


その日彼女には特別に、見習いスタッフを始めた頃になかなかできなかったラウンドアレンジを作ってもらった。

基本のスタイルだが、これが一番奥が深いし、最後の一日なら集大成をみせて欲しかった。


出来上がったアレンジをいつものように見せに来た彼女は

いっぱい涙を流していた。


ラウンドアレンジを作っていたら、見習いスタッフを始めた頃のことをたくさん思い出したらしい。


花ってすげーなぁ。


きっと、もともと気持ちがなくなったのではなくて見つからなくなっていただけなのだろう。


環境が変わって、休みがちになってしまっても、まったく来れなくなっても、
気持ちがあるならずっとスタッフでいて欲しいと伝えた。


今日で最後だと思っていたけど、どうするかもう少し考えさせてくださいと彼女は言った。



彼女がどんな答えをもってきても、彼女にはずっとスタッフでいてもらおうと思う。


へったくそなラウンドアレンジだったけど、

どんな綺麗なアレンジより気持ちが伝わってきた。

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2009年3月22日

リュクスクラスTOKYO



昨日21日は、記念すべきリュクスクラスTOKYOの第1回目でした。

先月よりスタートしたケンのパリクラスTOKYOとあわせ、今回の遠征では2本立てでのレッスンでした。


パリクラスとリュクスクラス、嬉しいことに両方受けてくださる方もいらっしゃいました。

リュクスクラスには、長く芦屋でのレッスンを受けていただいていて東京に引っ越されていた方も来てくださり、久々の再会でとても嬉しくなりました。

遠く離れてしまってもアイロニーのことを覚えていてくださる。

こんな嬉しいことはないです。

オープン当初より、ずっと受講してくださっている方、

東京への進出を楽しみにしてくださっていた方も、忙しいなか参加してくださって本当に嬉しい一日でした。


さてさて、内容はと申しますと、

いつもレッスン前には気合が入りまくっているケンに負けないように

今回からはさらに気持ちを引き締めて、準備にたっぷり時間をかけて挑みました。


今までは、見本は事前に作っておいて、補足として資料を用意していたのですが、

ケンがいつもしているようにデモとして作成して見ていただきながらのほうが作るものによっては伝えやすいのだなと思ったので早速そうしてみることにした。


やはり、人が見てくれている前で花を作り上げていくのは面白い。

レッスンなので、注意するべき点やポイントを説明しながら、

また、どうしてこういうデザインに至ったのかなど思考の内も少し話しながら

ゆっくりゆっくりと作っていく。


少しずつ出来上がるたびに、すぐ近くで見てくれている生徒さんたちの

感情が伝わってくるよう。

出来上がったときに、ぱぁっと明るくなった生徒さんの顔がすごく印象的でした。


こういうのってすごく楽しい。


もっと、楽しんでもらおうと思うからデザインにも、説明にもすごく力が入る。

ケンが準備にすごく時間をかけるのがわかる。

いいこと教えてもらったなぁと感謝しています。


花のほうはというと、やはり僕のが冴え冴えでみんな、もっとリュクスクラスを受ければいいのにと思いつつ、

こういう競い合いを僕とケンだけでなく、他の皆ともできるような環境づくりが
これからのアイロニーのレベルアップには欠かせないなと気づくことができたりと、

挑戦するということは、失うことよりも得るものが圧倒的に多い。


いくつになっても謙虚な気持ちで挑戦し続けたいものです。


さて、今週はリュクス芦屋と、ラフィリエ芦屋です!

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2009年3月27日

4・11 リュクスクラス TOKYOのお知らせ 




最近、レッスン楽しいです。目覚めました。

昨日はアイロニーディプロマ取得コース La Filiere(ラ フィリエ)の谷口担当初回でした。

ケンの担当する講義に比べ、僕の講義は仕事に対する考え方や取り組み方からの花へのアプローチを解説して行く要素が強いと思います。

学校の授業のように、受講生に意見を求め、皆でそれについて考察を深めたいということもあり、

少しでものびのび意見発表できるようにそれぞれ自己紹介をしてもらいました。

既に花の仕事をされている方や、これから深く花と関わっていこうとされているかた、様々ですが、共通してラ フィリエに対しての期待や意気込みはとても強く、引き締まる思いとともにとても嬉しく感じました。

毎回、一つのテーマを深く掘り下げ、

仕事としてどう取り組むべきか、お客様の目的や満足を考えるとこの仕事の花はどうあるべきなのか、そこからのデザインへのアプローチ、それを高めるための日々の取り組み、などなど。

自分の考えを話し、受講生にもより深い考察をうながしていく。


講義の準備を進めていく段階で、自分自身の考えもより深まったように思う。

講義での受講生の話にも大きく得られるものもある。


デザインや花の技術的な部分では、自分のものを最大限伝えた上で作成してもらい、同じアイデア、デザインの中での受講生の個性を感じ、感じたままを伝え、見る人一人の意見として聞いてもらう。

第三者が見て感じることをストックすることは、花の仕事ではとても重要だと思うので受講生同士がそれぞれの花を見て意見を交換するだけでも、一年続けると大きなものが得られると思う。

そうこうしていると、たった2、3時間のレッスンなのに終わった後はぐったりしていた。

その日の営業日報にスタッフの伊藤ちゃんが、

受講生の方が、初めて復習しようと思うようなレッスンをうけた!と話していたことを書いてくれていて、嬉しくなった。


先日 東京にて行ったリュクスクラスでも、やはり気持ちを込めれば込めるほど、

それは自分が一番わかっているので、充足感が得られる。

結果を出せるかというシビアな面では、それだけは足りないのだろうけど、

さほど気持ちを込めずに得られた結果では味わえない満足感がある。


リュクスクラスでは、

仕事という面は省いて、デザインのこと、花材のこと、技術的なことを、中心に
生徒さん自身に花を楽しんで頂くということを念頭にやっていきたいと思っています。

次回は、ケンが取り上げていて面白そうだった、ロマンティック をテーマにデザインを考えようと思っています。

香りのよいバラや ピンクのグラデーション。。


次回リュクスクラスTOKYOは 神宮前トレンドユニオンさんで4月11日13時からとなっています。

同日15時30分からは ラ フィリエTOKYOの初回 ケンが担当する
デザインにこだわったショーブーケ Le Bouquet graphique
を開催します。


電話0797ー38ー8741で受け付けておりますので

御予約おまちしております!


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Auther

florist jardin du I'llony
creative director
Atsushi Taniguchi

谷口 敦史
1975年3月31日生まれ

芦屋と南青山とパリに店を構える花屋アイロニーのオーナーフローリスト。 独学ながら自然のバランスと花のもつ色気をコンセプトにしたデザインが多くのブランドに認められ店内装花やイベント装花などを手がける。 企業への花をつかった商品企画や広告への花写真の提供など幅広く活動。 自身の撮影による写真集FLOWBULOUS(フラビュラス)は現在ISSUE3まで発刊し累計45000部突破。

多くの人に世界一好きな花屋がある人生の豊かさを感じてもらうことを目標に邁進中

>>詳しいプロフィールはこちら

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