blog du I'llony 世界一好きな花屋といってもらえるように 芦屋と南青山とパリに店を構える花屋アイロニーオーナー谷口敦史のブログ

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2007年12月 Archive

2007年12月 3日

おもてなしの心

12月2日

ここ数ヶ月ずっと準備し続けたアイロニー史上最大の仕事を終えた。


始まりは6月 ひとりの花嫁がアイロニーに来てくださった。

12月にある披露宴の花をプロデュースしてもらえますか?


聞けば名古屋のマリオットアソシアホテルで行われるとのこと。

ホテルへの会場装花の持ち込みはよっぽどのことがないと認めてもらえない。

ホテル側の許可が出れば、デザインを書いてホテルのフローリストに製作してもらうことは出来るかも知れません、と答えた。


しかし、その後メールなどでやり取りしていて、アイロニーの花をとても気に入ってくださってる気持ちが嬉しく、何とか実現するように出来る限り協力しようと思った。


ただでさえ難しいホテルへの持込みに加え なんと400名を超えるビッグウェディングには、我々が予想出来ないような困難があったにもかかわらず、花嫁が本当に根気よく、また素晴らしい心配りでアイロニーの装花の道を整えてくださった。


花嫁の想いはホテルの方にも伝わり、前週に前撮りの為のブーケを納品に行くとブーケ作成の為にと広い部屋が用意されていた。駐車場で車の荷台で仕上げをと思っていたのに。。


当日も、タイムスケジュールをアイロニー用にも2部用意してくださっていたり、花嫁の気配り心遣いに本当に感動を覚えながらすがすがしい気持ちで仕事を進めることが出来た。


ブーケも本当にその花嫁のためのたった一つのデザインが出来た。

ホテルのフローリストも非常に協力的で、うまく仕事を進めることが出来た。

なんといっても、強力な助っ人 苦楽園の6コンテンツの田中氏が駆けつけてくれた。彼の現場での仕事を始めてみたが、素晴らしいフローリストというのは活けられる花が安心しているように見えるのだなと思った。

チームアイロニーも本当にいい動きを見せ着々と成長していると感じた。


20071202-IMG_2277.jpg






そして、この日このときまで、やっぱり僕自身は花のことばかり気になっていたので、リハーサル時にあらためて驚いたのが 

電通さんが進行に入り、麻生太郎氏が乾杯の挨拶、劇団四季からお祝いのビデオレター、ドレスはカツラユミさんが花嫁の為にデザインしたもの、引き出物は人間国宝がこの日のために作ったもので作成過程がテレビで放映されるとのこと。。


自分のお仕事もしながら、これだけのことを打ち合わせしたり、準備していくなかで 我々に対してあれだけの心遣いをしてくれていたと思うと感服するばかりです。 打ち合わせ時にこちらが指定したお店に予約を入れておいてくれたこともありました。。


パーティはゲストに対するおもてなしの心が大切だと思うのですが、このお二人はそれにかかわるすべての人に対してもその心があらわれていたと思います。

この披露宴にかかわった多くの人が本当に気持ちよく、それぞれのいい仕事が出来たんだろうなぁと思います。


この仕事でお世話になった関係者の方々に心からのお礼と

素晴らしいお二人に心からの祝福を。

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2007年12月12日

流れを感じるので (スタッフ募集のお知らせ)

12月12日



一人でこの店を始めた頃から2、3年はすごく勢いを感じていた。

色々な雑誌で紹介していただいたり、ビッグメゾンの装花を任してもらえるようになったり急成長だったと思う。でも一人で受けられる仕事の限界まで来たところで少し落ち着いたように感じました。

決して悪い状況ではなかったが仕事が来ても受けられない時期、申し訳ない気持ちはもちろん、勢いが消えていくの感じるのは正直つらいものでした。しかし無理してもいいものは出来ません。じっと我慢して技術を磨き体制を整えました。

ヨコヤマが来て、カタヲカが来て、アッコが来て、チームとして力がついてきたと自負している。


たった5年の経験だが、仕事にも流れや予兆はあると信じています。

ここ数ヶ月、始めの頃よりも大きな流れを感じ、予兆を見ているように思う。


もう少しチームを大きくしないといけない。


アイロニーは今、フルタイムスタッフ3名、パートタイムスタッフ2名、見習いスタッフ2名で 仕事にとり組んでいます。

若い会社でこれからどんどん仕組みを作っているという段階なのでフルタイムスタッフは特に夜遅くなることが多く、加えて花を扱う職人としての技術の研磨もあるので、

この仕事と アイロニーが好きじゃないと到底やっていけない環境だと思う。

笑いを何より重視し、昼ごはん、夕方におやつタイム、遅くなるときは晩御飯も皆で一緒に食べる(オーナー払い。。)家族のような環境でもある。

花の経験よりも、キャラクターと花以外の仕事の経験を重要視している。

花のことは一から一緒に学んでいけばいいし、我々が経験してきたことは伝えられる。
明るく前向きなキャラクターと他業種での経験は得がたいものがある。

その経験やキャラクターを生かした得意な分野で力を発揮できるようなポジションについてもらい
そしてそれがチームとして機能するであろう人材を求めている。


アイロニーを限りなく大きくしようとは思っていない。

少人数(今の構想ではフルタイム5人)で質の高い仕事をして、高い報酬を得てもらいたいと考えている。

そしてそれを10年20年と長く長く続けていき、それぞれの人生を楽しめるようなゆとりを持って仕事に取り組んでもらいたいと考えています。


いきなりの転職は双方にとってもよくないので見習い制度もあります。

結婚してるのでフルタイムは無理だけれど、そんなアイロニースタッフをサポートしたいという方はパートタイムスタッフに。

これが僕の考えです。



履歴書お待ちしてます。

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2007年12月21日

リュクスのデザイン




今年はデザインを意識した年だった。

基本的に自分で活けるものをどういう風にしようかと考えるときは、花の向きや配置や高低差のつけ方
などでクオリティを保つことが出来る。  。。と思っている。

日々頂いているギフトフラワーにおいては、いい素材を仕入れ、その中からお客様のオーダーにあわせいくつかのスタイルの中にそれらを組み合わせていく為に、花の向き、配置、高低差のつけ方の妙とでもいうか、そういう面での細かい職人的なクオリティを保つよう、僕をはじめギフトの作成スタッフは日々集中して技術を磨いている。


今年はそれ以前に8割が完成するデザインされた花に取り組んだ。


前者を優れた職人だけがつくることが出来る焼き物のようなものに例えるならば

後者はアアルトのサヴォイベースのように量産が可能なプロダクトの花器のようだといえる。


つまり誰が作ったとしてもある一定以上のクオリティのものが出来ることを前提としたデザインである。

活け方による微妙なニュアンスでカバーすることを前提としていないのでデザイン自体に驚きや美しさをもたせる必要がある。


花材選び、組み合わせの妙や、見せ方のアイデアなどである。


ハイブランドの装花などで、遠方の店舗の装飾の依頼があった場合などは近くの信頼できるフローリストに依頼してアイロニーのデザインを製作してもらうこともあるし、
ホテルやレストランなどのウェディングで持ち込みの出来ないところでは、アイロニーのデザインを提供し契約してるフローリストに製作してもらうということもあった。

その逆もありトップクラスのデザイナーのデザインした花を再現する仕事はとても勉強になった。

そしてそれらの仕事はお客様のニーズをデザインで形にするという仕事であるのに対し、
僕自身が、今一番きれいだと思えるものをデザインし、それをお客様に製作してもらうという仕事がある。

今年からスタートしたアレンジメントレッスン リュクスクラス である。


注目している今が旬の花材をつかい、それを最大限に生かす組み合わせと少しのアイデアを盛り込み
初めて方でも活けられるように、ご自身で教室をもたれている方にはより深く学んでいただけるようなデザインを心がけた。

1年を終え、デザインしてきたものを見ると、今年のアイロニーがわかるような内容になっている。



特に冒頭の写真、今月のクリスマスのキャンドルアレンジは好評で、それもそのはず僕からのクリスマスプレゼントで予算をオーバーしている。。。



来年は、アイロニーがデザインを担当するブランドの店舗や他のデザイナーのデザインを遂行するブランドの店舗も増える予定。

その作業スペースの増設とレッスンにも力を入れて行きたいので芦屋にアトリエを開く予定。


スタッフにも生徒さんにもよりよい環境でアイロニーのデザイン、アイロニーの花を楽しんでもらいたいと思っています。

しかし、一年を振り返ってみて一番楽しんだの僕自身だとつくづく思います。

このような機会を与えてくださっているお客様やスタッフに感謝感謝です。


さぁ、今年もラストスパート。お正月用のアイロニ花も用意しております。全国発送承ります。


お近くの方は、リュクスクラスのお正月特別レッスン(単発参加可能)が28日14:00からございますのでぜひご参加ください。電話0797?38?8741にてお申し込み受付中です。

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2007年12月31日

ゆく年くる年

2007年大晦日

昨日までの忙しさが嘘のようにのんびりした一日でした。

今年も本当にたくさんのお客様にアイロニ花をご愛顧いただきました。

来年は定期装花で過去最大規模の契約があり、スタートを今か今かと楽しみにしています。


そんな大晦日 珍しいお客様が来た。

今年いっぱいで店を閉めてフランスに旅立つ苦楽園の人気店 シックスコンテンツの田中君が挨拶にと来てくれた。

先月その話を聞いて、飲みに行ったときはベロベロで話しにならなかったので、お茶しにいくことになった。

フランスのこと 花のこと 関西の花業界のこと これからのお互いのこと 今度はしっかりと話せた。


彼と話をしていると普段は見えない自分の姿が見える貴重な存在だ。

似ている部分がたくさんあってだからこそ違う部分がよくわかる。


ビジネス・気持ち・花 この三つのことで言うと

彼は僕よりずっと気持ちを大事にしていて、さらにもっと花を大切にしている。

時々彼と話したり、彼の書く文章を読んで、自分を戒めてきた。


来年から仕事が増え、そんなときだからこそ気持ちのこと 花のことをもっと大切にしっかり考えないといけない時期だと思う。

そんなことを言い残しに来てくれたのだろうか。

来年から少し一緒に仕事をする約束をした。僕が大切なことをいつも心において置けるように。


来年はアイロニーにとって飛躍の年となると思っています。

これからも大切なことを忘れずいい花を提供できるようにがんばりますのでよろしくお願いいたします。

皆様よいお年をお迎えください。


6コンテンツ田中君のブログ 葉っぱ便







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Auther

florist jardin du I'llony
creative director
Atsushi Taniguchi

谷口 敦史
1975年3月31日生まれ

芦屋と南青山とパリに店を構える花屋アイロニーのオーナーフローリスト。 独学ながら自然のバランスと花のもつ色気をコンセプトにしたデザインが多くのブランドに認められ店内装花やイベント装花などを手がける。 企業への花をつかった商品企画や広告への花写真の提供など幅広く活動。 自身の撮影による写真集FLOWBULOUS(フラビュラス)は現在ISSUE3まで発刊し累計45000部突破。

多くの人に世界一好きな花屋がある人生の豊かさを感じてもらうことを目標に邁進中

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