blog du I'llony 世界一好きな花屋といってもらえるように 芦屋と南青山とパリに店を構える花屋アイロニーオーナー谷口敦史のブログ

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2014年9月 5日

パリ花屋出店について 22

黒ほおずきとあじさい.jpg


8月末からの渡仏は出足からつまづいた。笑。


先月しりあったアミンというフランス人が短期貸しのアパルトマンの仲介をしてるというので


じゃぁ次は頼むと言って、紹介してもらっていたのですが、最後の最後のメールを彼が見落としてたとかで、


手配されてなかった。笑。まぁ俺も確認すればよかったんだけど。


まぁ、いいかと適当なホテルを探して渡りあるいた。安いとこをさがしてもやはりホテルは一人で泊まると割高だ。


安ホテル.jpg


安ホテル2.jpg


そろそろ長期貸しのアパルトマンを探そうを思う。


店はあいかわらず動きはなく、別の物件も探してみることに。


不動産屋さん(パリの不動産屋さんで働く日本人)からの紹介だけでなく、自分の足でも探してみて、よさそうなとこがみつかったら不動産屋に条件を調べてもらう。


すでに空いていて、営業権の必要がなさそうな物件でも同じくらいの額を礼金として言ってくるところもあって、俺が探してる金額だとなかなか条件に合うところがでてこない。


ましや、6区か16区でと探しているのでなおさらだ。


数ヶ月パリを歩き回って、やはり6区か16区が居心地がいい。


芦屋や青山にも感じたような感覚なので、それを信じようと思う。


8月バカンス期の16区の閑散っぷりをみて不安になって、観光客で賑やかな6区と比べてしまって


6区のあたりのほうがいいんじゃないかという気になっていたけど、


活気の戻ったヴィクトルユーゴーの広場の周りの人通りを見ていて、ここで間違いないと感じた。


そして日に日に、アートギャラリー併設への想いは強くなっている。


いろんなアーティストと交流をもちたいし、おれももっと写真をとっていきたい。


日本を発つ前、香港から小包が届いた。


香港に住む友人からのその包みを開けてみると、


一冊の本が入っていた。


本.jpg


彼女は俺の仕事を以前にスペインで紹介しようとしてくれた人で、


その話は流れてしまったんだけど、Facebookでの交流は続いていた。


Facebookで俺の様子をみていて、アートギャラリーをするつもりなら、この本は何かの役に立つかもしれないわ。


とのことだった。


花と同じようにさりげなく本を贈る事ができる人ってかっこいいなぁ。と思った。


そしてこの本は本当に俺にたくさんのものを与えてくれた。


史実に基づいたフィクション。とは言え、遠すぎる偉大な芸術家達を少し近くに感じることが出来た。


ピカソがゲルニカや血のソーセージのある静物で戦争を批判し抗っていたというくだりや


そのときにマティスは完全なる調和を描こうとしていたというくだり。


そう、とくに気に入ったところがあり、何度も何度も繰り返し読んだ。


「不思議だったよ。私がいつもその瞬間を待っているのを、君は見抜いてしまったようだった」
いつもその瞬間を待っている...... ひと目惚れの瞬間を。
先生は、ひと目惚れなさるんだそうです。窓辺の風景に。そこに佇む女性に。テーブルの上に置かれたオレンジに。花瓶から重たく頭を下げるあじさいに。
じっと見る。そして待つ。そう、あのときまさに私が感じた通り 全身を目にして、全神経を研ぎすませて。
そして、ふとした瞬間に、そのもの、その構図を好きになってしまう。
光、色、かたち、配置。どれほど速く、的確に、また心情をこめて写し取るか、おわかりでしょう?だってひと目惚れなのよ。その気持ちを、一瞬を、逃してしまってはだめ。たちまちまとめてしまわないと、一分後には世界は変わってしまっているのですから。そうして「ひと目惚れ」を、カンヴァスにコンテで描き写し、構図を考え、じっくりと配色を決め、それからゆっくりと、慎重に、絵の具をのせていく。まるで恋を育み、やがて変わらぬ愛情に塗り替えていくように。
だから完成した絵は、先生とオブジェの幸福な結婚のようなもの。私は知らず知らず、気づいていたのようです。
マティスの目。それは恋する娘がのぞきこむ鏡。
マティスの心。それは、みつめる対象にせいいいっぱい傾けられた清らかな水を注ぐ水差し。
マティスの指。それは、胸にしみ入る旋律を弾き出すピアノの鍵盤。
この世に制を享けたすべてのものが放つ喜びを愛する人間。
それが、アンリ・マティスという芸術家なのです。


最近、環境がかわるからか、思春期くらいの勢いでいろんなものに影響をうけているように思う。


そしてありがたいことに、今おれの目や耳に飛び込んでくるものは何かの力によってセレクトされているものばかりのようにすら思う。


この導きのサインを見逃さないように心の声に注意して耳を傾けなければ。






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Auther

florist jardin du I'llony
creative director
Atsushi Taniguchi

谷口 敦史
1975年3月31日生まれ

芦屋と南青山とパリに店を構える花屋アイロニーのオーナーフローリスト。 独学ながら自然のバランスと花のもつ色気をコンセプトにしたデザインが多くのブランドに認められ店内装花やイベント装花などを手がける。 企業への花をつかった商品企画や広告への花写真の提供など幅広く活動。 自身の撮影による写真集FLOWBULOUS(フラビュラス)は現在ISSUE3まで発刊し累計45000部突破。

多くの人に世界一好きな花屋がある人生の豊かさを感じてもらうことを目標に邁進中

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